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フランスの社会思想家。
貴族の家系に生れ、若い時期に下士官としてアメリカ独立戦争に参加、負傷し捕虜となりフランスに帰国。
大革命の時期にはジャコバン派結社に出入りする一方で、没収された亡命貴族の土地への投機により莫大な財産を築いた。
1798年には新たな百科全書を企画し、科学の現段階を示そうとする。
『ジュネーヴ人への手紙』(1803)で初めて、世俗の権力者に優位する精神の権威者の統治する社会のヴィジョンを示すが、そこでは民衆の身体労働と学者の知的労働が手をたずさえて共通の福祉を実現するものとされていた。
1805年には破産し生活に窮するが、その境遇下でも『十九世紀科学入門』(1807-08)を著わす。
1816年に協力者たちと雑誌『産業者』を刊行し、貴族など無為寄食の徒にたいし産業階級の統一を主張した。
『寓話』(1819)のなかでは、「国家にとり最重要である」とされる3万人の人々よりも、最も優秀な学者、銀行家、農民などの方が、はるかに有用であるとした。
『産業体制論』(1920-23)では特に労働者の境遇への関心を示すようになり、そのためマルクスの先駆者として空想社会主義者のひとりとされている。
(杉山光信)
『社会学事典』(弘文堂)